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ベーラー体操について

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資料の原本内容

ベーラー体操について

青壮期の圧迫骨折ではベーラー体操を処方される。ベーラー体操の原法はギブス固定中の体幹・下肢の廃用性萎縮を防ぐのが目的。高齢者では脊柱の変形が強く、背筋力が弱いためベーラー体操は困難である。体幹・下肢の強化を可能な肢位から徐々に開始する。

・ベーラー体操原法(ギブス固定中の背筋強化)
          ②           ③
     ④              ⑤         ⑥
 基本姿勢

 患者は柔らかい薄い布団付きの治療台の上に股関節屈曲部より上半身を出し、腹臥位となる。下腿は布で固定し、手は足台を握って上半身を固定する。

 上半身挙上

 基本姿勢より上半身を高く挙上する。背筋と股伸筋が最大収縮力を示す時のみ可能である。

 上半身屈曲

 椎体骨折を整復しギブスミーダーで固定後1週間でこの屈曲位より②の伸展位まで続ける。

 背臥位における下肢挙上

 腹筋と股屈筋が最大収縮力を示す。腹壁は板のように固くなる。整復後1週間でこの動作を続ける。最初は両下肢を同時にあげ得ず、かろうじて一側のみを交互にあげ得るだけである。

 項筋・背筋強化

 1日2回、10~30分間砂のう5kgから頭上保持を始め、20kg、40kgと重量を上げていく。頭上で重荷のバランスをとることで背筋は一層強化される。この際砂のうは脊柱後方で支えられ、前方損傷部には荷重されない。8週目で40kg15分間保持できるようになる患者もいる。

 整復後5週目で65kgの男子が5kgのギプスミーターをつけ、35kgの砂のうをず頭上に乗せて腹部に立つことを許すほどとなった例である。
・ベーラー体操を応用した背筋強化運動
運動① 殿筋の収縮

    肛門をしめるようにして両殿部を硬く収縮させる。  

運動② 大腿四頭筋の収縮

運動③ 肩甲骨内転筋の収縮

両上肢を体側において行う。

両上肢を外転位に保たせて行う。

両上肢を上方挙上位に保たせて行う。
運動④ 仙棘筋の収縮

    上半身のみをごく軽くそらす。
運動⑤ 一側股関節の伸展

    一側股関節を過伸展させ、次いで下ろさせ、交互に行う。

運動⑥ 両側股関節の同時伸展
運動⑦ 膝屈曲位での股関節伸展

    両側の膝関節を屈曲位にし、一側ずつ交互に股関節の過伸展を行う。

運動⑧ 仙棘筋の収縮

    ④を強く行う。
運動⑨ 躯幹の伸展

    両手を90度外転位に保たせ、上体と下肢を挙上させ、そり返らせる。

運動⑩ 背臥位、座位、立位で体幹および下肢の筋力強化を行う。

連関資料(1)