検索ワード入力
menu

分布定数回路

  • 会員550円l非会員660円
  • Microsoft® Office Word
  • ページ数18閲覧数5,165
    ダウンロード数3
  • by roro413

内容説明 コメント(0件)

1. 分布定数回路
  1.1 目的
    無損失同軸線路の送端にパルス電圧を印加して、その進行の様子を観測する。同軸線路の特性インピーダンス、その往復長を伝搬するのに要する時間を測定する。これらの量と同軸線路の絶縁物の比誘電率、内外導体の半径、線路長との関係を確認する。模擬無ひずみ線路についても同様の測定、確認を行う。
  1.2 解説
 1.2.1  分布定数回路の微分方程式
    指導書図1.1のような、x方向に一様に回路定数が分布している分布定数回路において、単位長当りの抵抗、自己インダクタンス、容量、漏れコンダクタンスをそれぞれR、L、C、Gとする。この分布定数回路の位置x、時刻tにおける電圧、電流をv(x,t)、i(x,t)とすると以下のような関係を示すことができる。
      v - {v + (∂v/∂x)dx} = (R dx)i + (L dx)(∂i/∂t)
      i - { i + (∂i/∂x)dx} = (G dx)v + (C dx)(∂v/∂t)
    これからv、iに関する互いに結合した微分方程式
          -(∂v/∂x) = R i + L(∂i/∂t)
          -(∂i/∂x) = G v + C(∂v/∂t)
   が得られる。これらの方程式は、両式をxで偏微分して代入することにより、
      (∂2v/∂x2) = LC(∂2v/∂t2) + (LG + CR)(∂v/∂t) + RG v
      (∂2i/∂x2) = LC(∂2i/∂t2) + (LG + CR)(∂i/∂t) + RG i
   のように分離できる。上式は電信方程式と呼ばれる二階偏微分方程式である。
 1.2.2  無損失線路
  (ⅰ) 電信方程式の解
    上述した電信方程式においてR=G=0のとき、線路は無損失であるといい、式は
(∂2v/∂x2) = LC(∂2v/∂t2)
(∂2i/∂x2) = LC(∂2i/∂t2)
   のように簡単化される。簡単化された式は波動方程式と呼ばれ、一般解は(例としてvにおいて)、
v = φ(x+ct) + ψ(x-ct)
   の形で表される。ただしc=1/√(LC)、φ、ψは任意関数である。
  (ⅱ) 送端における条件
    X≧0の領域に半無限長線路がある。x=0、t=0において、電圧Vを印加する。x=0からの後進波はない。条件から、
v = ψ(-ct) = V u(ct)

   が得られる。u(ct)は、ct≧0のときには1に等しく、ct<0のときには0に等しい単位階段関数である。この式からvの一般形が、
v = ψ(x-ct) = ψ{-(ct-x)} = V u(ct-x)
   のように定まる。上式によればx≦ctのときv=Vとなり、x>ctのときv=0となる。これは速さcでxの正の向きに進行する単位階段関数である。X=0において時間的に任意に変化する波形は、重畳定理により、単位階段関数の重ね合わせとして表される。
  (ⅲ) 受端における条件
    X≦0の領域に半無限長線路がある。t = t0において、単位階段関数前進波が受端に到達するものとする。X≦0の領域の電圧は
v = φ(x+ct) + ψ(x-ct)   (1)
   により表される。ψは単位階段関数前進波である。受端抵抗をRrとすると、x=0における電圧と電流の間には、
v=Rr i
   の関係がなければならない。この関係と1.2.1のv、

資料の原本内容

   1. 分布定数回路
  1.1 目的
    無損失同軸線路の送端にパルス電圧を印加して、その進行の様子を観測する。同軸線路の特性インピーダンス、その往復長を伝搬するのに要する時間を測定する。これらの量と同軸線路の絶縁物の比誘電率、内外導体の半径、線路長との関係を確認する。模擬無ひずみ線路についても同様の測定、確認を行う。
  1.2 解説
 1.2.1  分布定数回路の微分方程式
    指導書図1.1のような、x方向に一様に回路定数が分布している分布定数回路において、単位長当りの抵抗、自己インダクタンス、容量、漏れコンダクタンスをそれぞれR、L、C、Gとする。この分布定数回路の位置x、時刻tにおける電圧、電流をv(x,t)、i(x,t)とすると以下のような関係を示すことができる。
      v - {v + (∂v/∂x)dx} = (R dx)i + (L dx)(∂i/∂t)
      i - { i + (∂i/∂x)dx} = (G dx)v + (C dx)(∂v/∂t)
    これからv、iに関する互いに結合した微分方程式
          -(∂v/∂x...

連関資料(1)