問．素朴概念とは何をいうのか、科学の領域における具体的な例を挙げながら説明しなさい。また、それを教室授業において克服しようとする試みについて解説しなさい。

回　答
　　　　素朴概念とは、専門的な科学的知識を持たない状態で、人々が日常生活や経験に基づいて自然現象について抱く直感的な理解や考え方を指す。これらはしばしば間違った理解や不完全な説明に基づいており、科学的な概念とは異なる。
素朴概念は、小学校に入学する以前の幼少期からの生活体験や観察をもとに形成されると考えられており、往々にして強く根付いてしまうことがあると言われている。
　　　　
例えば、「重力と物体の落下」について、日常の経験から、多くの人は「重い物ほ
ど速く落ちる」という素朴概念を持つことがある。鉄球と羽を同時に手から落とした場合、鉄球の方が先に地面に落ちるという経験から、「重い物は軽い物よりも速く落ちる」という直感的な理解が生まれる。しかし実際には、空気抵抗が存在しない真空状態では、すべての物体は重さに関係なく同じ速度で落ちる。これはガリレオの有名な実験（斜塔からの物体落下実験）やニュートンの重力の法則で説明される。
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