精神障がい者は疾患と障害を併せもっており、社会生活の中でさまざまな困難・不自由を抱えている。精神疾患による幻覚・妄想といった症状や不眠等が原因で健康状態が低下しやすく、それらの症状が軽減できたとしても、意欲の低下や思考障害を伴いやすいのが精神障害の特徴といえる。地域生活の中で、対人関係の困難さ、コミュニケーション障害によってうまく立ち振る舞うことができず、生活制限が生じてしまうことが少なくない。
精神保健福祉法においては、その第5条で精神疾患を有している者が精神障がい者だと規定しているが、同時に第1条において、この法律は「国民の精神保健の向上を図ることを目的とする」とも規定している。つまり、精...